2021/09/07 2021/10/18
「企業は海外大生にどんな期待を持って、採用活動を行っているんですか?」
海外大生と話をしているとよく聞かれる質問です。確かに企業によっては、国内大生採用と海外大生採用では、それぞれ異なる期待値を持っていることも多く、海外大生らしさを面接でアピールすることが求められる場合があります。今回は、その海外大生らしさに通ずる、企業の海外大生への期待についてご紹介します。
海外大生が企業から期待されていることには大きく分けると、日系か外資系かの2種類に分類することができます。そして、それぞれの期待は時代と共に変化してきています。
一昔前は、業務上で英語を使うことの多い企業を中心に、「日本語と英語が話せる人材が欲しい」あるいは「海外経験を将来海外赴任という形で生かしてほしい」というニーズが強く、これが期待でした。
その後、ダイバーシティという言葉が一般的になってからは、さまざまなバッググラウンドを持った社員を採用し、海外大生のグローバルな視点や考えをまだまだグローバリゼーションが進んでいない日系企業に落とし込んでほしいという期待が強まりました。
そして、直近ではさらに、国内大生が経験できない海外大生の海外での経験が、社会人としての活躍に繋がると考える企業が増えてきました。どういうことかというと、日本で暮らしていると基本的にマイノリティになることはないものの、海外ではマイノリティになり、その中でもがいて、プレゼンスを発揮して、生き抜いてきた経験が社会人での活躍に繋がることを意味しています。これは社会人になっても同じで、新卒はその会社あるいはその部署ではマイノリティです。海外大生はすでに成功体験を有しているので、その分社会人としての活躍への期待値が高いということになります。
また、グローバルにビジネスを展開し、海外との取引や駐在が頻繁な企業の場合は、海外大で世界中から集まってきた学生と時には喧嘩になるほどのディスカッションで意見をぶつけ合ってきた経験や、日本の学生の比にならないほどの学習量をこなしながら、様々なことにチャレンジしてきたタフさも期待値でしょう。海外大でしか経験できないエピソードを積極的に伝え、『海外大生らしさ』をぜひアピールしましょう。時には強い好奇心や行動力、コミュニケーション力もそうかもしれませんね。海外大生らしさが感じられず、「確かに良い学生だけど、日本にもたくさんいるよね」ということで、オファーが出ないこともよくあります。企業がわざわざ海外大生を採用したい目的・期待を理解し、アウトプットすることが重要です。
こちらの期待は、上記の期待と全く異なります。海外大生に人気のコンサルや金融といった外資系企業は、日本国内の新卒採用で激しい人材獲得競争を強いられています。英語が話せて優秀な学生の母数は毎年限られていますし、急に増えるものでもないためです。そんな激しい競争を行っている企業が活路を見出したのが海外大生採用で、海外大生に目を向ければ、英語が話せて優秀な学生の母数を増やすことができるためです。そのため、こういった企業の採用要件の前提は、英語が話せて優秀であることであり、志望理由やガクチカではなく、大学やGPA、ケース面接/ジョブが重視されます。
これらがもちろん全てではありません。外資系企業の中にはGlobal HQとのコミュニケーションが頻繁に発生したり、マネジメントが外国人のため、英語が流ちょうで日本を拠点に活躍してくれる学生を多く採用したいという企業もあります。今回ご紹介した内容は、あくまで傾向として把握したうえで、それぞれの企業が学生にどんな期待を持っているか理解し、就活・面接に生かしていただきたいと思います。