2021/05/07 2021/10/18
これまで数百枚以上の海外大生のES添削を実施してきましたが、その中で海外大生がよく間違える日本語があります。細かいものもありますが、文書作成能力は社会人の基本スキルですし、海外生活が長い方は日本語力を懸念されるリスクもあります。本格的にESを書き始める前に理解しておきましょう。
これは有名なので知っている方も多いと思いますが、実際によく見かけます。これらは企業のことを指して使う言葉で、以下のように使い分けます。
さらに、海外大生はめんどくさいと思う方が多いかもしれませんが、銀行は「貴行(きこう)/御行(おんこう)」と使い分けます。面接の練習をしていると、御社や御行で度々つまる方がいますので、口を回す練習もお忘れなく。
これもよくある間違いで、具体例が1つしかないのに「など」を使ってしまうケースです。「など」を使う場合は具体例が2つ以上必要で「や」と共に用い、上の文章は以下のように書き換えが必要です。
「たり」に関してよく見る間違いが、「たり」を一回しか使わないケースです。基本的に「たり」は「~たり、~たり」と2回か3回重ねて使うことがルールです。(※一般的ではないものの、たりを一回だけ使う例示用法もある。)長い文章の中で「たり」を使って、2回目の「たり」が抜けてしまうケースが大半のようですが、明確に文法間違いなので注意が必要です。書き換えると以下のようになります。
また、「たり」の使用を避け、名詞化することで、言い換えることも可能です。よりすっきりした印象になります。
こちらも知っている方が多いかもしれません。ふと気が抜けたときにやってしまうのか、実はよく見かけます。口語(話し言葉)では問題ありませんが、文語(書き言葉)では「なので」や「ですが」を文頭で使えません。文頭で使いたいときは、以下のように言い換えが必要です。
今回は手始めに海外大生がよく間違える日本語を4つご紹介しました。ついついやってしまっている間違いや知らない間違いがあったという方は、この瞬間から使いこなせるように意識し始めましょう。
次に、明確に文法間違いではないものの、政府により公用文での使用を避けるように定められていて、海外大生がよく使う違和感のある日本語をご紹介します。気になる人は気になりますし、文章の見栄えもよくなるので、こちらも使いこなせるようにしておくほうがベターです。
この文の「来る」にあたる部分を補助動詞といって、基本的に補助動詞はひらがなで記載します。
補助動詞(ほじょどうし)とは、日本語などにおいて、別の動詞に後続することにより文法的機能を果たす動詞で、それ自体の本来の意味は保っていない(前の動詞との組合せで意味を持つ)ものである。(wikipedia)
「~出来る」と書いているESをよく見かけますが、基本的に動詞の場合はひらがなを用い、名詞の場合に漢字を用います。
ESは字数との勝負なので、あまり厳しく言いたくはないのですが、形式名詞や接続詞も基本的にはひらがなです。漢字を多用していると「きっと字数が厳しかったんだろうなぁ」と思えてしまいます。一文字を削って違和感を与えるよりも全体を見て削れる部分を探しましょう。
今回はやや細かい内容にも触れました。神は細部に宿ると言っては大袈裟ですが、ちょっとした文法の間違いがESの合否や人事の評価を分けるきっかけになるかもしれません。また繰り返しになりますが、文書作成能力は社会人の基本でもありますので、就活を通じてしっかり身につけておきましょう。