2022/09/07 2022/09/07
今回はカナダの大学を卒業後、広告代理店でメディアプランナーとして活躍されているSさんにお話を伺ってきました。
ハードスキルが身につくという理由で、マーケティング職を希望している海外大生は非常に多いですが、同じマーケティングでも事業会社と広告代理店では携わる領域が全く違うことは知っていましたか?
マーケティングや広告業界に興味のある海外大生はもちろん、まだやりたいことや進みたい業界がわからない、といった方には今後の進路を考えるための良いきっかけとなるのではないでしょうか。
是非ご覧ください!
Sさん
カナダの大学を卒業後、広告代理店で活躍中。
デジタル戦略部にてメディアプランナーとしてクライアントのマーケティング・広告戦略に携わっています。
メディアプランナーとは、企業のメディア戦略について専門家として提案やアドバイスを行い、クライアント企業の売り上げ向上に貢献するという仕事です。
— 今はどんな仕事をしているんですか?
広告代理店にて、デジタル領域に特化しメディアプランナーとして働いています。
現在は、消費財メーカーと映画会社のマーケティング・広告戦略に携わっています。
消費財メーカーではクライアントのブランド、映画会社では作品を担当し、予算をもらって目標KPIを設定。それを達成するためにどこのメディア(YouTube、Facebook、Twitter、TikTok、Tverなど)に誰をターゲットに、このくらいの予算でこんな風にすればこのKPIが達成できます、というプラン提案からレポーティング、という仕事をしています。
Key Performance Indicator の略。日本語では重要業績評価指標。
ビジネスでのゴール(売上〇〇円)を達成するための、中間目標(営業訪問〇〇件)のこと。KPIの達成状況を確認することで、目標までの進捗を把握することができます。
— 実際の業務内容を教えてください
クライアントから彼らの目標のために達成すべきKPIが共有されます。
私たちのメディアチームはそれを達成するために何ができるかを提案するという役割です。
私が担当しているメーカーはKPIの設定をクライアント内で行っており、私たちは予算管理とKPI達成方法の中身を作っている感じです。
Weeklyで定例ミーティングを行いパフォーマンスの確認や今後の改善ポイント、今後のアクションの確認を行ったりしています。現状の広告パフォーマンスを分析して、運用調整(配信素材の切り替えや、入札の強化等の配信設定の変更等)を行なったり、市場トレンドに合わせて年間プランを作成し直したりもします。
– 入社して何年ほどで、そのような責任ある仕事に携わるようになったんですか?
新卒で今の会社に入社後、6ヶ月目から映画会社を一人で担当することになりました。「新卒だから」はクライアントには関係ないので、先輩方のクオリティにできるだけ近づけられるように日々溺れそうになりながら業務にあたっています。
消費財メーカーのブランドを一人で担当するようになったのは入社一年半くらいからです。
新しいクライアントさんだったので、担当者を社内で決める際に、「やってみる?」とチャンスをもらいメーカーのブランドも担当するようになりました。
— 広告代理店での仕事はやはり、事業会社のマーケターへのサポート業務がメインなんでしょうか?
代理店とクライアント、結構上下関係があるように思われがちなんですが、実は代理店だからと言って上下関係があるわけではなく、二人三脚で対等な関係で仕事をしています。
私たち代理店は専門性を売りにしているので、マーケティングプランを練る時に「メディア的にはちょっと違うかもしれない。〇〇の方が良い。なぜなら△△だから」というという意見を述べることは、むしろクライアントからも推奨されています。
なので、年齢やポジション、所属している会社に関係なく、正しいと思ったことはしっかりと伝えることが大切だと日々感じています。
— 事業会社と代理店。同じマーケティングに携わる人たちでもやはり考え方や人柄は違うんですか?
ずっと一緒にお仕事をさせてもらっていますが、人柄や頭の使い方といった側面では大きく差がありません。
ただ事業会社と代理店のマーケターは携わる領域に差があります。
例えば事業会社側の消費財メーカーであれば、商品のコンセプトや価格、プロモーション方法の設定、あとは薬局の陳列棚での並べ方だったり、どこの地域の薬局にどんな商品を置くだったりなど、商品の売れる仕組み全体を管理しています。
対して、代理店側は、プロモーション領域に関する専門的なアドバイスをします。私の部署は特にメディアに特化しているので、「〇〇メディア上で△△をターゲットに、こんな感じのクリエイティブを使ってリーチを獲得しましょう。」という風な具合で、マーケティング戦略の立案に、より専門的な視点から関わっています。
事業会社が行うようなプロダクトのコンセプト作りや管理は行わず、それをメディア上の広告を通してどう売るか、という仕事をしているので、事業会社よりもリソース的な制限が多い中で結果を出すことが求められる、よりスペシャリストとして成長できる非常にタフな環境だと感じています。
また代理店側は、多岐にわたるクライアントの様々な商品やコンテンツのマーケティングに関わる経験ができるので、アイディアの引き出しが増え、将来の選択肢も広がったりしますよね。
— やりがいポイントはどこですか?
やっぱり人に見えている仕事をしているというのはモチベーションになります。
周りの人が聞いたことがあるような作品や普段目にする商品の広告を担当できることはやりがいポイントです。Facebookで流れている広告の配信決めているは実は私です、みたいな。
加えて、今いる部署は少数精鋭タイプなので、メディアのマーケティング関するスキル・知識は短期間で膨大なものを得ることができ、成長を実感できるのもやりがいの一つです。強化指定部活に入部したかのような環境で、一年半しか働いていないのがいまだに信じられないです。。。
しっかりスーパーバイザーに見てもらいながら、一人でクライアントを任せてもらえチャレンジができる環境がある会社なので、これ以上ないくらい大正解のファーストキャリアだったなと思っています。
— 就活の時点でマーケターを志望していたんですか?
いえ、初めは全然考えていなかったんですよね。
就活していた時も特にこれと言ってやりたいことはなく、周りの友人の多くがコンサルティングファームを受験していたとこもあり、自分も主にコンサルを受験していました。
実はBig4のコンサルティングファームからも内定をいただいたんですが、広告代理店の事業とを比べたときに「あれ、コンサルより広告代理店の方が面白そうだな。」と思い今の企業に入社を決めました。
結果、マーケターとしてのハードスキルがしっかり身についたので、専門人材になることができ、転職にも繋げやすくなりました。
ただ、気をつけて欲しいのが、同じ広告代理店でも配属される部署によって身につく専門性が変わってきます。
例えば、営業に配属されるとCMの撮影について行ったり、広告を売ったりなどコミュニケーション力や交渉力などといったソフトスキル面が大きく成長する、といった具合ですね。
— 配属先はどのように決まるのですか?
私の場合は選考中に希望ポジションを聞かれましたが、当時はやりたいことが定まっていなかったため「もし入社を認めていただけるのであれば、私が一番適正のある部署に入れていただければ結構です。」と伝えた結果今の部署に配属になりました。
メーカーなどではポジション別採用を行なっている企業もあります。どの企業がポジション別採用をしていて、どこがしていないのか。していない場合はどのように配属が決まるのか、しっかり事前にリサーチが必要です。
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— 英語はどのくらい使いますか?
私は英語7:日本語3くらいです。
クライアント企業がどの国にあるのか、担当者が何語を話すのかで決まるので、英語を使用する割合はクライアントによりますね。
しかもクライアントの担当者の方もブランドマネージャーや一流企業の優秀な社員さんなので、提案するときは非常に緊張します。
でも、海外大生の強いところってあまり物おじせずに自分の考えを論理的に伝えることが求められる環境で切磋琢磨してきたことですので、そこでの経験は社会に出ると物凄く役に立つと思いますよ。
自分の意見をはっきりとクライアントに伝え、対等に議論することで信頼を獲得できた経験もありますので、海外大生は全面的にその強みを打ち出してほしいですね。
— 今後のキャリアパスは?
ありがたいことにハードスキル面はかなり鍛えてもらえた一年半だったので、今度はそれをどうやって伝えていくかということを課題にしていきたいです。
また、将来的には自分の興味がある音楽業界で好きなアーティストやミュージシャンにマーケターとして関わることができればと考えています。
— マーケターを目指している海外大生にメッセージ
海外大生は、スキルアップや成長機会を新卒での入社先に求め、転職も視野に入れながら就活している方が多いと思いますが、マーケターはまさにうってつけだと思いますよ。キャリアの初期段階でハードスキルや専門性が身につくことで今後の選択肢が広がり自分でキャリアを切り開いていけるのが醍醐味です。
会社の先輩方を見ていても、若くして専門性が身につき、その後の転職先でのステップアップも可能です。マーケターとしてスキルを磨くことで業界にとらわれず、自分の興味・関心のある環境で活躍することができるのはこのキャリアパスを選ぶ大きな魅力ですよ。
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