2022/09/07 2022/09/07
海外の大学を卒業後、食品メーカーで働く予定のAさん。
中学生の頃から「人の幸せ」についてずっと考えてこられたAさんが、新卒入社先として出した答えは食品メーカーでした。
どんな経緯で食品メーカーを志望するようになったのか、そして幸せとは何なのかについて伺ってきました。
これから就活を行う学生はもちろん、現在就活中で悩みを抱える海外大生には、ぜひ知っておいて欲しい内容となっています。
Aさん
国内大学に入学も、中退し海外の大学に入学。大学では言語学を専攻していました。
就活軸は『人の幸せについて深く考えられるか』
元々は人材業界を中心に就職活動をしていたが、紆余曲折あり食品メーカーに進むという異色の経歴を持つAさんに就職活動についてインタビューをしてきました。
―― 元々は人材業界を志望されていたとのことなんですが、どのような軸で就活を行なっていたんですか?
就活軸は『人の幸せについて深く考えられるか』でしたね。
「人生のほとんどをこれから仕事ってことに使うことになるから、真剣に考えた方が良い」という言葉を就活中によく聞いたのですが、皆が言う良い企業・年収ランキングや就活人気ランキング上位の企業に行くのが幸せだという価値観ではなく、自分で納得した上で企業を選ぶ、自分の自由な思想や感覚に従った上で企業を選んだ上で幸せになれるのではないか、と私は考えています。
この想いに一番近くで携わることができるのが人材業界なのではないかと思い、元々は人材業界を志望していました。
―― なぜ幸せについて深く考えるように?
最初は自分が幸せになりたいと思ったからです。
中学校から大学時代にかけて、幸せってどうやったら手に入るんだ?とずっと考えていました。
中学・高校は偏差値や学業成績といったわかりやすい指標で褒められることで、他人からの承認を受け取ることができて、幸せの感じ方がとてもわかりやすかったんですよね。
けど人生そんな甘くないんだなと気がつくことになったきっかけが海外大学への留学でした。
海外大学の本科生を目指す過程で、言語面・勉強面・そして異国での生活でプライドがズタボロになってしまったんですが、その経験で学んだことが『自分の幸せは他者からの評価によって決まっている、承認欲求が自分の幸せに繋がっている』ということ。
もっと頭のいい人やコミュニケーションが上手な人に出会った時に、自分の存在が価値のないものに感じてしまって、「あ、自分は幸せじゃないんだ」と急に思い始めてしまったんですよね。それ以来たくさん悩みましたが、人から認められることでようやく自分で自分を認められるようになるのではなく、人からの評価は関係なく自分のことが好きになることができれば良いのではないか。そして、他人に認められなくても、自分が幸せならそれでいいし、そうあるべきだと段々と考え方が変わってきました。
―― そのような経験を経た後、今の幸せの定義とは
自分のことが好きでいられるということだと思います。
もう少し加えるとすると、『自分の思想を自分のために自由に持てる』ということです。
私の場合、人から認められることが幸せという感覚は年々強くなっていきましたが、結局この感覚は成長する過程で得た後天的なのもで、本来の自分100%の感覚ではありませんでした。幼少期はきれいなものを見た時とか、楽しいことをすれば幸せだったとういう時期があったことを思い出して気づいたのですが、「こうあるべき」とか、人が作り出した思想や規則に惑わされるのではなく、自分が思う「楽しい」「綺麗だ」「面白い!」という思想や感覚を自分のために使うことができれば一番幸せになれるんではないかと思っています。
―― そういった想いを届けたくて人材業界を志望したんですね
はい、周りの価値観で生きるのではなく自分自身の思想や価値観を軸に生きて欲しいという想いを伝えることができる、そして社会人になっても幸せについてをより深く考え、人に寄り添い、そして自分がずっと考えていたことが人の役に立つような環境で働きたいと思っていました。
しかしながら、いざ選考が始まると、私自身が選考に臨む中で「こういう学生だといろんな企業が欲しがってくれるんじゃないか」とか、「自分の学チカをこんな風にみせたら企業は喜んでくれるんじゃないか」と思い書類選考や面接を受験してしまっていたんですよね。
実際に先輩やエージェントの方にESを添削してもらった際、添削後のESを実際に読んでみると本当に磨きがかけられていて、素晴らしいものだったんです。でも、そこで思ったのが「あれ、、このESの登場人物、全然私じゃない。。。」
しかし就活経験者の先輩やエージェントの方の添削だったので、これが正解なんだと思いその内容で選考に臨んでしまいました。なんとか書類選考は通過し、面接まで行ったのですが、その時の面接での評価コメントが「とてもエネルギッシュに活動していていいですね!」という内容だったんですよ。学生団体をやったりしていて、エネルギッシュでないわけではなかったんですが、相手が求めているエネルギッシュなところが今までの自分の過去の経験で軸になっていたかと言われればそうではありませんでした。
それよりむしろ打算的に動いていた時もあったはずなのに、自分の強みや本来の性格が、意図していない伝わり方で伝わってしまい、それを元に選考が進んでいくことに疑問と不安を抱えていました。
これはまさに、自分の思想を自分のために自由に持つこととは相反することなので、この企業からの評価ポイントと自分の本質の間のギャップにはとても苦しめられました。
―― そんな時に内定先の食品メーカーとの出会いがあったんですね。
そうなんですよ。参加した就活イベントで、たまたま内定先企業のイベントがあり「別にこの会社は志望企業でもないから素を出してみよう!」と試験的に素を出してみたところ、イベント後、人事の方に声をかけていただいて、それがきっかけでこの会社で働くことになりました。
というのも、そもそも食品メーカーは全く考えてもいなかったのですが、「まあお話くらいは聞いてみようかな。」くらいのモチベーションで初めは参加しました。その時のイベント内容が40−50分、幼少期から今までの人生を振り返って発表するというものでした。以前までであれば、会社が欲しがる人材を演じなければいけないなあと思って悩んでいたのですが、「志望もしていないから、どうにでもなれ!」と思ってずっとモヤモヤしていたことを払拭すべく、本当に素の自分をさらけ出して発表をしたんですよね。
そうすると、驚いたことに人事の方から「後日お話ししましょう」と声をかけてくださったんですよ。
―― その後、具体的にはどんなお話をしたんですか?
企業のことはあまり話題にはあがらず、留学の話や私の普段考えていること、就活の悩みについての話が多かった印象でした。「就活での本音と建前の使い分けが辛い。。。」という話題など、まさに自分が今までの就活の中で感じていた悩みや素の自分が出せない葛藤を悩み相談のような形で聞いていただいたんですよね。
その中で、一番自分にフィットしているな、と感じたポイントが『この会社では自分が子供でいられる』ということでした。
「こどもでいられる」というのは、社会が作り出した「〇〇すべき」にとらわれずに、自分の思想に正直に生きているという意味です。
何歳になったら何しなきゃいけないと、社会の中で暗黙のルールがある中で、私はあまりそれに沿った人生を歩んでいませんでした。18歳で大学に入学して、22歳くらいで卒業してすぐ入社することを良しとする風潮には以前から疑問を感じていたんですよね。そんな中で海外に出てみて思ったのが、「人生ってもっと自由でいいんじゃないか」ということでした。
休学してインターンしたり、ちょっと旅出てくるわって旅に出たりという学生に囲まれた大学生活を送る中で「こんな風に自由な思想を持っていいはずなんだ!」と考えるようになりました。このような話を社員さんが親身に聞いてくださり、素の自分の意見を聞いた上で評価してくださったので、とても企業に対して関心が湧きました。
多くの社員さんとお話しした際も「あ、こんな人がいるんだ」という姿を見て、自分自身を出せる、自由な思想を持てる、子供でいられるという環境が私にとっては重要でしたね。
―― これから会社ではどんなことをやっていきたいですか?
入社後は、サステナビリティに関わり、社会とどうやって共存していくべきかを考えていく事業に携わりたいです。
どうやって社会と共存していくのか、未来の社会に向けてこの会社はどう言う作用を生み出していけばいいのか、をずっと考えている会社で、それに惚れて入社を決めたので。なので、この会社で人の幸せとは何か、そしてどうすればそれを実現できるのかを探っていきたいと思っています。また、仕事を通して様々な経験を積むことで新しい自分を知ること、そしていろんな年齢層の方のいろんな思想に触れられることのふたつが特に楽しみです。
将来的には、内定先企業のサービスを使う人も使わない人も含め、たくさんの対立するグループが自然と違和感なく混ざり合う世界を作りたいです。そのためにたくさんの思想に触れて、海外でも働いてより広い世界を見て、人々の融合に貢献していきたいと思っています。
―― 今日のお話で、企業の軸に自分を合わせるvs自分の素を出してそれを評価してくれる企業に行くという二つの方法があると気付かされたのですが、Aさんはこれについてどうお考えですか?
企業の求める人物像に沿って自分を装うことが悪いとは思っていないです。それもテクニックの一つですし、それで難関企業から内定を勝ち取られた方も多く知っています。
ただ、装うのなら、長い目で見た時に自分がその会社でどういう風に過ごしていきたいかを考えた上で装った方がいいと思います。
成長したいのであれば、理想像を持って自分をそこに近づけていくとい方法もあるので。
しかし、私にとっては就活において、素直でいること・ひたすら自分について考えることが大切でした。それを見極めるためにも自己分析が大切です。
自分はどういう人間なのか。素直に自分をさらけ出すのか、それとも企業の求める人物像を装っていくのか。
就活を単なる職業探しの期間だと捉えるのではなくて、人生において自分のこれからと、そしてこれまでもを考える機会だと捉えて臨んで欲しいと思います。
BETAEでは、自己分析のお手伝いから、ES添削、模擬面接(ケース面接可能)まで、就活におけるお悩みに幅広くお答えしております。お気軽にお申込みください。
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